みなさんこんにちは。むさしです。
さて。ついに虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のテレビアニメ2期がスタートしましたね!
テレビアニメ1期が見事な出来だっただけに、非常に高い期待感と共に2期が始まることをずっっっっっと待ってました。
1期の感想記事も「書く書く」と言い続けて1年が経過し、いまだ1期1話しか公開できていませんが(下書きは溜まっている…)、2期は新鮮な感情と、先の展開に思いを馳せながら楽しみたい思いが強いので、前後しますが今回は2期1話「新しいトキメキ」の感想記事を書きたいと思います。
1. あらすじ
無事スクールアイドルフェスティバルをやり遂げた同好会のメンバーたちは、みんなの期待に背を押され、早速第2回のフェスティバルを企画していた。きたる虹ヶ咲学園のオープンキャンパスで告知PVを公開しようと同好会が盛り上がるなか、音楽科へ転科したばかりの侑は、編入者向けの補習に悪戦苦闘。音楽科と同好会の二足のわらじで忙しい日々を過ごしていた。一方その頃、オープンキャンパス実行委員の三船栞子のもとに一通のメッセージが届く。そしてオープンキャンパス当日、鐘嵐珠(ショウ・ランジュ)とミア・テイラーが留学生として、虹ヶ咲学園へやって来た。
2. 同好会で生まれた次の夢
物語は、第一期13話で盛況で幕を下ろした「スクールアイドルフェスティバル」の第2回開催の告知PVから始まりました。
いや~、開幕の侑ちゃんの一節、ここがもうズルすぎる。
僕は1期2話「Cutest♡ガール」で初めて1期OP曲「虹色Passions!」が流れてその瞬間から重度の「虹色Passions!」のオタクなので、この詞が引用されたこと、アレンジで音楽が流れたのを聞いて「あぁ、2期なんだなぁ…。」としみじみしてしまいました。
もっとも、結果的に「スクールアイドルフェスティバル」の告知映像だったのですが、映像を最初に見たときは、「これ、本編か??」と少し不安な気持ちになりましたね。あまり想像していなかった始まり方でしたが、”謎の人気”があるスーツ姿を出してきたり、ここに「虹色Passions!」を重ねて来たり、お台場の舞台、細かい小ネタを挟んできたりと情報量の多い開幕でした。
桜坂監督の元、璃奈ちゃんと侑ちゃんの編集で誕生したPVだったみたいですが、自分が音頭を取って企画を進行させていたしずくと、そのあとの「なんだか、嬉しいね」と微笑む歩夢、みんなに特製コッペパンを振る舞うかすみんの姿で、1期から地続きになっていて、1期13話の後の時間がまた動きだした感覚があって嬉しかったですね。
その直後、2期からの新キャラクターとして登場する栞子、ランジュ、ミアのカットが入るのも、1期を受けた「これまで」と、2期で描かれていく「これから」がバランスよく表現された良いアバンだったと感じています。
1期13話で披露された「夢がここからはじまるよ」。あのステージを機に"はじまった夢"は、高咲侑の音楽科への転科、そして虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会として、"次のスクールアイドルフェスティバル"へと続いて行っていたわけですね。その点で言うと、この第二回告知PVは、数々の夢を叶えて行った1期の集大成として生まれた"夢"が、少しずつ形になっていく様子が感じ取れます。
このPVの撮影裏で、良いカットが撮れるようにみんながポーズ決めたら、アクションしたりして「カッコよかった!!」「かわいいよ!」とか言い合ってる同好会を妄想してニチャァ…ってなりました(あとでNGシーンもありましたね…)。
3. "夢"がはじまった高咲侑
1期1話でも見た、幼馴染の朝の一幕。前と同様に歩夢のモーニングコールで目を覚ます侑ちゃんでしたが、そんなワンシーンの中に数々の小道具が見られました。
まず、歩夢からの着信音が変わりましたね。1期では1stアルバムの「夢への一歩」でしたが、2期では2ndアルバムの「開花宣言」でした。数字の対応関係もそうですが、1期12話「花ひらく想い」で、"2人の約束(promise)"が"変わらぬ思い"として脈々と繋がっていくことを考えると、「開花宣言」というネームが非常に味わい深くなりましたね。アニメには直接出てきてない楽曲が作中で少し顔を覗かせるだけで、その曲の文脈が継ぎ足され、曲が深まっていくのはラブライブ!の醍醐味の一つですね。
同時に映る数々の楽譜と「音楽科」の学生証。この辺りもいぶし銀の演出ですね。
「夢を追いかけてる人を応援できたら、私も、何かが始まる…!
転科試験の合格不合格は明文化されませんでしたが、1期で「夢を追いかけてる人」だった同好会のメンバーから「夢」を受け取った侑ちゃんなので、落ちるプロットは考えられませんが、にしても「学生証」という動かぬ証拠で示してくるのが「味」だなぁと感じました。
あとコレ!!!!!
飾ってある写真、虹ヶ咲3rdライブBlu-rayのジャケットだ……。
元々このジャケットも、1stライブの時のキャストの写真の逆輸入でしたが、この芸の細かさ、良いですね〜。
テレビアニメ1期の「スクールアイドルフェスティバル」での集合写真と、テレビアニメ1期を冠として行われた3rdライブ「School Idol Festival ~夢のはじまり~」のジャケット写真という二つの軸が交差するのが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会としてひと繋ぎの物語になっている感じがして個人的にとても好きです。
侑ちゃんがあくびをするシーン、何気ない一幕ですが、1期1話と対比させてみると、1期1話は「スクールアイドルの動画」に熱中していた結果の夜更かし、2期1話では「ピアノの練習」に熱中していた結果の夜更かしですね。1期で侑ちゃんが「夢」を見つけるキッカケとなったスクールアイドルが、その「夢」である”音楽”に置換されているのが印象的です。
「1学期分の補習がある」と侑ちゃんは言いますが、高校1年の段階で専門性の高い学科に分かれている虹ヶ咲であることを考えると、素人が2年の2学期から音楽科に転科っていうのは、改めて考えるとそりゃ大変だわ。天使天才天王寺が1年生であんなに専門色が強いことを考えると、尚更周りの学生はタレント揃いなのかなぁなんて考えちゃいますね。
っていうか、1年生分の補習はないの…?
「好き」という気持ちが原動力なわけですけど、こうして振り返ると「転科」はその気持ちだけでは心理的にかなり重い決断だったように感じます。
講堂使用のための抽選会、これは外すのがお約束なので、改めてどうこう無いですけど、かすみんが引くのが自然な流れになっているのが良いですよね。なんやかんや”2代目部長”が認められている感じがします。
ここの栞子、一人だけ資料を見ていないのが印象的です。スクスタでの彼女の性格等を考えると、目を通してすでに全部頭に入れてある状態なんだろうなぁなんてことを考えますね。
”「みんなの夢を叶える場所」が素晴らしい理念であり、学園のみんなにとって良いイベントになる"なら、お手伝いしたい。
作中で初めて栞子が喋ったシーンですが、スクールアイドルに対してマイナスの印象を抱えているというわけではなく、むしろ「人々のため」になるものだという認識でいることがわかります。
ただ、ここのプロットが逆説的に働く可能性も同時に感じられます。つまり、「みんなの夢を叶える場所」を実現するうえで、"誰かにとってマイナスに作用する"なら……。
ラブライブ!出場のために自己を顧みずに強行した高坂穂乃果を思い出しました。こうなってしまうのは、同好会と音楽科という好きなもので二足の草鞋状態の侑ちゃんくらいしか思い当たりませんが、果たして…。あるいはこの辺りがスクールアイドル同好会と栞子を結ぶプロットになってくるかもしれません。
あと、中川菜々さんのメガネのフレームが赤色になってましたね。自分を押し殺すことを辞めた菜々、正体を隠しながらも、"せつ菜"としての主張をコッソリとしている様子がこれまた成長を感じました。
やっぱり抽選外したんだな。まぁそれはそう。
でもこれ、彼方も愛さんも「面目無い〜!」って言ってる感じがまたイイ。「にこちゃんが外すからにゃ!!」ってデカい声出すラーメンの顔が浮かびました(そんなシーンあったっけ?)。
デッカいスクリーンで映像を流す許可を得た同好会、それを聞いてクリエイター魂に火がついた桜坂監督と璃奈。いや〜、成長成長。侑ちゃんもハッとしているのが尚更、同好会メンバーの子たちの成長を表現できていると思います。
あとはこの部室のシーン、個人的に気になったのは、侑と歩夢が部室のほぼ対角線上に位置していることです。これつまり、対角線上ということは"1番遠い距離"にいるわけで、まぁ1期の時も100%隣に歩夢がいた訳ではないですけど、1期で描かれた”関係性の変化”と”変わらぬ思い”を感じ取れましたね。
同好会メンバーがオープンキャンパスの準備をしているカット、この中で侑ちゃんだけ"音楽科の授業"を受けているカットだったのが少し気になりました。明らかに、2期の大きなテーマですね。
かすみん、おばさんくさくない…?
あ、コレ言っちゃいけないやつ?
今日も かわいいよ!!!
情報処理学科なら使わない映像データは消せ!!
消さなくても使わない映像データを分類するな!!
とは思うものの、璃奈ちゃんにそんなことできる訳ないですよね。絶対残して、後でみんなと一緒に見たいって思ってそうですもんね。キャラの性格とか背景を知っていると、いろいろな意味を帯びてくるのも、見ていて楽しいポイントですね。
その後も侑ちゃんが夜遅くまで何やら作業をしているシーンが。
暗示的ではありますが、相当音楽科の方が大変だということがここまでで伝わってきます。
4. 鐘嵐珠との出会い
「近いから」という漠然とした理由で虹ヶ咲への進学を決めた侑と歩夢。ただ、「やりたいこと、ちゃんと見つかったから」というセリフが印象的でした。ラブライブ!シリーズでは、”普通の女の子”がスクールアイドルと邂逅することで物語が動き出すという一貫したものがありますが、なんとなく進学先を選んで、そこで夢中になれるものを見つけるのも、等身大の高校生って感じがして個人的にポイント高めでした。
「本当に両立できてるの?」
「この前の小テストは赤点取っちゃったけど~~~(笑)」
ココ、1期1話と対照的ですね。せつ菜のライブを偶然見た侑は、その晩スクールアイドルの動画に夢中になり、この結果やる気満々になって勉強が捗ったと言っていたはずですが、2期では、夢中になったものを追い求めているその過程で赤点を取ってしまったようです。「スクールアイドル」というのが侑ちゃんのエンジンであることはいまだ変わらないことだとは思いますが、明らかに手に追いきれてない様子がここまでの10分程度の間に様々な方法で描写されています。
「\\ 見つけた!! //」
「見 つ か っ たァ」
顎が取れそうな侑ちゃん、かわいいですね。
スクールアイドルになるために香港からやってきたランジュ。ミアも一緒に留学に来ているものの「スクールアイドルに興味があるわけではない」そう。はんぺんらしき動物と遭遇しているあたり、ミア・テイラーと天王寺璃奈の繋がりを感じざるを得ませんが、それより流しそうめん同好会。
お前らそんなウォータースライダーみたいなデカい流しそうめんもできたのか。そりゃアメリカから来たミアも足を止めて眺めるわ。日本人でも二度見はするくらい立派な流しそうめんだよ。流す役の人がちょっとかわいそう。
同好会のブースを訪れるランジュを歓迎するメンバーたち。これは納得感が強い。
だってコレ、同好会のメンバーが願ったことそのものですよね。スクールアイドル好きみんなが楽しめるお祭りだったスクールアイドルフェスティバルで。
生まれたのはトキメキ
惹かれたのは輝き
とは、言わずもがな虹ヶ咲のデビュー曲「TOKIMEKI Runners」のフレーズですが、ランジュの訪問は間違いなく同好会メンバーが待ち望んでいた結果の一つだったとも言えます。
「スクールアイドルフェスティバルの動画を見たからよ!すっごくトキメいたわ!
それぞれが、自分のやりたいことを表現していて、輝いていて!
あたしもあのステージに立ってみたいって思った。高校生の今しかできないから。」
このランジュの思い、前半部分は後述する内容と被るのでここでは割愛しますが、最後の「高校生の今しかできないから」の部分。「限られた時間の中で、精一杯輝こうとする」のは、先人μ’sが”見つけた答え”でもあるスクールアイドル哲学そのものです。これを明確に理解しているという点で、ランジュのスクールアイドルとしての「強さ」というものを感じてしまいましたね。
っていうか、このブースもまた細かいですねぇ!
3rdライブ「School Idol Festival 〜夢のはじまり〜」で販売されていた物販グッズ、壁紙なんて3rdライブのパンフレットと同じですね。やっぱり、”あの”公演の続きとして本作が存在していること、「確かに夢がはじまったこと」を強く感じられました。
後ろに釜めし同好会がありましたね。本当に作り込みに余念が無さすぎるぜ…。
かすみん、頼りになりすぎる。
髪めっちゃサラサラですね。中須かすみのシーンだけfpsめちゃ上がってないですか?中須かすみは3枚目みたいなキャラしていますけど、こういう時に1年生組をバシッとまとめられる一面を持っているのがますます良いです。
「どうしてスクールアイドルじゃ無いのに同好会にいるの?」
「私はスクールアイドルから夢をもらったんだ。
だからいまは、夢をくれたみんなを応援したくて同好会にいるんだ。」
「ファンがアイドルを支える、ね。」
言葉を反芻するランジュ、ファンとアイドルの関係性について思うところがあるらしい描写が印象的です。この真意については後述します。
作業の終わらない同級生の尻を叩いて何とかデータを届けることに成功する活躍っぷりなのに、NGの方を持ってきて自爆してしまうあたりが、あまりにも中須かすみらしくて安心感すら覚えます。
朝香果林の"外ヅラ"はセクシーでクールな上級生といった感じですが、同好会メンバーだけが知っているフニャフニャな部分が微笑ましく見えてしまうし、いつもすやぴしてる彼方ちゃんが「ヤレヤレ」みたいに微笑む表情なのが"味"ですね。
栞子が同好会に友好的じゃない、というコメントを放送後に散見したのですが、個人的には「特別扱いできない」という栞子のセリフと、生徒会という立場、あるいは栞子の性格から納得のいく対応だと思いますし、「残念ですが。」という〆をしているあたり、毒気がないことが伝わります。単純に「スクールアイドル」との邂逅を果たしておらず、それこそまだ栞子の中でスクールアイドルが「特別扱い」されていないだけなんだと思います。
表情もマジで「申し訳ない〜…」って感じですよ。
「みんなをここに、釘付けにすればイイんでしょ?」
同好会のピンチに立ち上がったのはランジュ。
ランジュから連絡を受けて現れるミア。お前が子犬ちゃんじゃん。
ケーブルを接続するミアの表情、イイですね。自分の作曲した曲をお披露目する瞬間ですし、ワクワクしている様子とイタズラっぽい表情が14歳という年相応のようにも感じられます。
5. Eutopia
「伝説の始まりを 心に刻みなさい!」
いや〜〜〜〜〜〜、ヤバ過ぎ。
鐘嵐珠というキャラクターを表現するのに、あまりにも完璧すぎる挿入歌だと思いました。
ランジュは、スクスタで初登場した時からとても強度の高いキャラクターとして描かれていました。圧倒的なパフォーマンス、場を支配する存在感。これらの裏には惜しまない努力があったことも描かれていましたね。
テレビアニメとスクスタは全くの別物(ココ重要)なので、テレビアニメでキャラクターを(無理のない改変の範囲で)リライトしてくれても良かったのですが、これまでのランジュを知っている人にとっては納得の、知らなかった人にとっても圧巻の演出が施されていたように感じます。
1期の挿入歌では、大半のキャラがソロ曲を披露するときに"ステージが生まれる"演出がされており、これを「領域展開」なんて呼んでいる人々もいましたが、個人的には、見ている人間に「そう見えている」だけなんだと感じています。その場でライブに参加している人だけが感じられる特別感のようなものですね。
パフォーマンス後の地面に落ちた花びらが消えていく描写も「CHASE!」の時と同様、「ライブ」の特殊性をここでも表現していますね。
【虹ヶ咲1話感想】生まれたのはトキメキ。惹かれたのは輝き。あの日から―――。 - むさしんぐのエゴライブ!
この点において、今回のランジュのパフォーマンスでは、「心に刻みなさい!」のランジュのセリフに呼応するかのように、学園の吹き抜けが"ステージに染まっていく"様子が特徴的でした。「刻みさない!」というよりも「刻ませている」かのようなこのシーン、ランジュの空気を呑む圧倒的な存在感がうまく表現されている描写だと思いました。曲が始まってないのに、自分色に染め上げている訳ですからね。
曲については、CDがリリースされて歌詞を見ないと100%の考察はできませんが、気になるところだけ。
この曲は鐘嵐珠の「伝説の始まり」を示すにふさわしい縦ノリ曲ですが、PVからは「鐘嵐珠のココロに抱えるもの」のようなものを感じ取りました。
暗示的なのは、
- 水槽の魚
- 鳥籠
- 電車
- 水槽に投影されるランジュ
あたりでしょうか。閉鎖的な空間にいるランジュからは、とにかく何かに縛り付けられているという印象があります。
鳥籠は言うまでもありませんが、水槽というのも、自由に泳ぐ魚にとっては「檻」と捉えることもできますし、電車も自分の足で歩めず、行き先の決まっている「箱」だと考えることもできますね。
ランジュが抑圧しているものはなんなのか。"自分のココロの声に素直になること"を実行してきた同好会メンバーが、ランジュのコアの部分に触れることで、スクールアイドル鐘嵐珠のポテンシャルが最大限に発揮される瞬間が来ることを想像すると楽しみでたまらないし、この辺りが本筋になってきそうです。
CDが出ないと確定しない歌詞についてあれこれ言っても仕方ないんですけど、
Anyone can keep up with me? Anyone?
の部分、"Anyone can keep up with me?"で、「私について来られる人はいる?」って感じの意味ですかね。孤高のスクールアイドル鐘嵐珠を表現するのにバッチリのフレーズですが、味わい深いのが繰り返される"Anyone?"の部分。ここに反語的な意図を感じとりました。つまり、「私について来られる人はいる?誰か?(いないでしょうね…)」というように、"Anyone?"を付け加えることによって、孤高のスクールアイドル鐘嵐珠の"孤独"といいますか、一抹の不安、寂しさを感じましたね。
もっとAddictedに Intoxicatedに
というサビの歌い出しの部分。前者は「病みつき」「中毒的な」、後者は「酔って」「興奮して」のような意味ですが、どちらもかなり強度の高い「夢中になる」というニュアンスを内包しています。後述しますが、この辺りの歌詞もランジュの思い描くスクールアイドル像の輪郭をはっきりとさせるものだと感じます。
ここから全てが 始まってくよ
「これは始まりの歌です!」とは、1期3話、自分を押し殺すことをやめた優木せつ菜が「DIVE!」を披露する時に言ったセリフですが、パフォーマンス後にせつ菜は「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 優木せつ菜でした!!」という挨拶をしていました。1期2話では中須かすみが「自己紹介はスクールアイドルの第一歩」と言っていましたね。今回のランジュにとっては、これはスクールアイドル鐘嵐珠の伝説の始まり、いわば自己紹介ともいえるライブであり、スクールアイドルとしての第一歩を踏み出したことになるんですよね。この辺りが1期を思い返すととても立体的に見えて面白かったです。
6. 夢を追う高咲侑
「入部はやめるわ。」
「あなたたちとは考え方が違うみたいだから」
「与えるだけでいい」「誰かに支えられなきゃパフォーマンスできないのは情けない」
だいぶ切れ味の鋭いセリフですが、これは「これまで」の同好会のスタンスとは対極にあるものではあっても、否定できるものではありません。「色の違い」を認め合う同好会という場だからこそ、このランジュのセリフにモヤモヤがあったとしても否定をしてしまうことは自分たちの軸、自分たちの「これまで」を否定してしまうことに繋がりかねないからですね。ただ、ここまで節々で感じ取ってきたランジュのスタンスに対して一つ明文化されたのはとても良かったと思います。
「ファンがアイドルを支える」という同好会メンバーの価値観に触れたとき、この時点でランジュはもう見切りをつけていたのかもしれませんね。
会いたかった歩夢たちと目指すべきスクールアイドル像が違ったらすぐに「個」の道を選択できるの、かなりドライだなぁって思う一方で目的と手段を履き違えないところに真剣さを感じるし、鐘嵐珠とはこういうキャラクターだよなぁの気持ちになってる。
— むさし (@ykttdfm) 2022年4月2日
もう一度聞くわ、侑。あなたはどうして同好会にいるの?
夢を追って日本にやってきたランジュ。同好会には侑の追い求める夢がないとして、なぜ同好会にいるのかを問うランジュ。夢を真剣に追い求めるべきだと主張するランジュ。
いや~~~ここの鐘嵐珠、説得力のカタマリだ……。
決して突き放しているわけではないんですよね。ランジュは真剣に、スクールアイドルの夢を追って日本にやってきた。それは”限られた時間で精一杯輝く”ため。この価値観を持っているランジュからしたら、高咲侑の存在はちぐはぐなものに見えたのかもしれません。これはもう、そうでしかない。夢を見つけたきっかけは、夢を追い求めているみんなを応援したから。これも違いないことではありますが、ではその続きは?(キリン)
この点について明確なアンサーを侑ちゃんは見つけなければなりません。
でも...!!
でも......!!!!
でも、やりたいことをやりたいって気持ちだったら、私だって負けてないつもり!
侑ちゃんは既に明確なアンサーを持っていました。ここ、本当に涙出ちゃいましたね。
「でも」が言える侑ちゃんで良かったって心の底から思っています。みんなから受け取った夢は同好会と繋がっている。夢を追うためには、同好会にいてはいけないのか、自分の夢を追うために、同好会の夢を応援することもしてはいけないことなのか。答えは否。スクールアイドルフェスティバルは”みんなの夢を叶える場所”。スクールアイドルも、スクールアイドルじゃなくても、虹ヶ咲の生徒も他校の生徒も”みんな”が参加できるお祭りという理念を、侑ちゃんはこの1話ですでに語っていました。答えはとっくに出ていたんですね。
今はまだ、全然だけどね…。
も~~~~~~~アニガサキはすぐにそういうことする。
これ、言うまでもないんですけど、1期1話で「Dream with You」を披露した後の歩夢のセリフ、「今はまだ、勇気も自信も、全然だから…。」にバチバチに呼応していますね。詳しくは1期1話の記事を参照してほしいんですけど、1期1話でも「夢」という大テーマに直面する侑と歩夢(とせつ菜)が描かれていました。そんなシナリオの中、「夢への一歩」を踏み出した歩夢のこのセリフ。スクールアイドルへの潜熱を持っていた歩夢のセリフと、「夢」をもらい、「夢」を追い始めた侑のこのセリフが1000000000000000%合致するのがもう耐えられませんでした。
鐘嵐珠と同好会、スクールアイドルフェスティバルのステージでともに立つことを誓い合いましたが、”対立”という構図じゃなかったのがめちゃめちゃ良いですね。
ぶつかり合い、というよりは両陣営のスタンスが平行線で交点が生まれていないだけ、というまとめ方がされていたことに好感を持てましたし、どこでどちらが傾きを変え交わりへと接近していくのか、今後の展開にも非常に期待を持てました。
7. 夢が僕らの太陽さ
神様仏様めばち様。
虹ヶ咲はEDでちゃんと枠になっているのが良いですよね。
2期ED曲は「夢が僕らの太陽さ」。これもEDシングルが出てから詳しく書こうと思いますが、「僕ら」というワードがチョイスされたことにグッと来てしましましたね。ラブライブ!には出場をしなかった虹ヶ咲、いわばμ’s、Aqoursがその名を刻んできたラブライブ!大会に名を残さない選択をした虹ヶ咲が、「僕ら」というキーワードを入れてきたことで、ラブライブ!シリーズの系譜にちゃんと名を残せたような気がしています。
種に水をやるメンバーたち、虹がかかっているのはやはり特徴的ですが、一番気になったのは最後の映像ですね。1期「NEO SKY, NEO MAP!」では、同好会メンバーと一緒になって隊列を組んでいた侑ちゃんが、一緒に虹を見上げる描写がありましたが、「夢が僕らの太陽さ」では、みんなと向き合う侑ちゃん、同好会メンバーは侑ちゃんの方を向いたのち背を向けて”12人”で並ぶ構図が取られています。あえて言わなくても伝わると思うので、これ以上は言いませんが、今後の展開を暗示しているようで少し心がざわつきましたね。12話13話くらいでこのエンディングにボコボコに殴られたい。
あとは、幻のBD特典曲「Hurray Hurray」が僕は大好きなんですけど、この辺も思い出して1話のEDの時点で再起不能になりましたね。この辺もED曲について詳しく書くときに併記します。(「いつかは別々の道 進んでいくのかな」とかね…。)
8. まとめ
ランジュの転校で若干の雲行き(天候(愛さんギャグ))が怪しくなった同好会。ただそこには、襲来する嵐にも負けないキズナで結ばれた、同好会の姿がありました。
彼女たちは、雨が降ったら虹がかかることを知っているから。「夢の色は違うけど、想いは一緒」の虹ヶ咲が見られたことに大満足でしたし、ランジュのキャラクターも、芯の部分で揺るがない強さを持った魅力的な描かれ方で安心したのが本音ですね。
「仲間でライバル」の関係性を地で行くランジュは2期1話のこの時点で「虹ヶ咲」のスクールアイドル以外の何者でもないし、本当に感慨深いモノがある https://t.co/phyFppWB5O
— むさし (@ykttdfm) 2022年4月2日
せつ菜とランジュが出会わなかったことが今後の展開において気になることでしょうか。
続く2話3話にも期待です(視聴済み)(期待超え)(死亡)。
100万点の満点(愛さんギャグ)だった2期第1話、新しいトキメキを胸に再び動き出した虹ヶ咲の物語はやっぱり最高ですね。それでは今回はこの辺りで。
ありがとうございました。